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ミャンマーの水かけ祭り

Thingyan1.jpgミャンマーではティンジャン(Thingyan)、またはダジャンとして知られる新年を迎える水祭りが4月12日からからスタートしており、17日の新年の前日まで続く。

New Light of Myanmar(4月13日)によると、この言葉はパーリー語の“サンカンタ(Sankanta)”に由来しており、太陽が魚座から牡羊座に移動することを意味しているという。ミャンマー人にとっては一年でもっとも重要なイベントであることは間違いない。この期間は太陰暦によって計算され、東南アジアのテラワーダ仏教(南伝上座部仏教)の国であるタイ・ラオ・カンボジアといった国々でも同様の水祭りが行われる。もっと各国の事情に応じてそれぞれ独自のバージョンがあり、タイではソンクランと言われるなど呼び方も違う。共通しているのは水をかけることである。

聞いた話では、水をかけることで1年の埃を洗い流すというメッセージまたは意味が込められている。ヤンゴン市内でもあちこちでステージが造られ、そこから放水したり、されたりで大騒ぎになるが、4月は年間でもっと熱い時期でもあり、大量の水によって体感温度も下がる。ステージに有名人がいたりするとそこに多くの車が向かって来て、氷水のビニール袋を投げつけてきたりする(実際に体験した日本人もいるが、とても危ない)。誰彼となく水をかけられるし、騒々しいので、この喧騒と水を避け、静かに瞑想センターに入ったり、家族・友人で国内旅行に出かける人たちも少なくない(ちなみに郵便集配人には水をかけてはいけないというルールもある)。

ティンジャンにはまた仏教の守護神であるダジャーミン(帝釈天)がこの期間、地上に降りて来て人々を身近で見守るという言い伝えなどもあるという。

padaukwar 2.jpgパダウ(Padauk)はこの時期にのみ開花するミャンマーのシンボルのような黄色の花で、女性が髪につけたりしており、誠実と忠誠の象徴とも言われ、日本の桜と同じように開花の期間は短い。
ティンジャンのもうひとつの重要なアイテムがサドゥディタ(Sa Du Di Tha)とよばれる無料で配られるスナックや食べ物類である。前記NLMの紹介記事は、その中で人気があるモン・ロン・イェ・ポウ(Mont-Lone-Ye-Paw)と言われる日本の団子のようなお菓子のことを取り上げていた。中にヤシ砂糖を入れたもので、たまに砂糖ではなくわざと唐辛子を入れることもあって運の悪い人はそれを口にすることになる。
今年は4月11日から4月22日まで国中が10日間も休みに入るが、水祭りは12日から16日までで、4月17日はミャンマーの新年のスタート。ここからは急に静かになる(新年の休みは20日までだが、21日が土曜日となるために今年は22日まで休みとなる)。
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この水祭りの期間は交通事故が多発することでも知られており、水で滑りやすくなった道路をスピードを出して走行することのほか、通常はほとんど飲酒しないミャンマー人がこの期間中だけは酔っぱらいが増え、飲酒運転による事故が多いという。前記記事によれば、警察情報として、昨年の水かけ祭りの期間中、ヤンゴンだけで32件の事故が発生し、うち62人の死傷者が発生したことを紹介している。また、日頃飲み慣れていないせいか酔っぱらい同士の口論も期間中は少なくないので、アルコール無しのティンジャンの楽しみ方を記事は推奨している。

さらに、今年のミャンマーのティンジャン期間の特徴は、民主化プロセスの急速な進展の途上にあるため、各国の関心も高く、期間中でも外国の要人が訪問したり、政府等幹部の海外渡航が行われたりと多数の外交日程が組まれていることである。ちなみに4月13日には選挙後、EU首脳として初めてイギリスのキャメロン首相が公式訪問を果たしている。