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最近の中古車事情

imported used car.jpg昨年後半からミャンマー運輸省陸運局に登録して40年以上経過した自動車の廃車に伴い輸入許可証が発行されるようになり、次いで30年経過したものについても同様の措置がとられ再び日本の中古車が大量に輸出されるようになっている。現地報道によると、昨年11月初旬で7,400台以上の輸入が許可され、2012年2月、ヤンゴンの大手自動車組立工場の専門家の話では、今年1月現在で既に約2万台について輸入許可が出されているということだった。今後、さらに20年を経過したものについても廃車の代替措置として輸入が許可されるほか、外貨預金をもつ船員、一定の条件を具備した旅行会社等にも輸入許可が発行されることになっており、先の専門家の話では、これらを合計すれば約7万台くらいに輸入許可が出るのではないかと話していた。詳しいことは判らないが、同氏の話と提示された書類によれば、廃車の代替車両としての輸入許可は、1996年から2006年までのモデルの車両に限られ、事前に当局が決めたCIF価格の165%が課税さる(※CIF価格は車両価格等に船賃と海上保険を合算した額だが、ポイントは実際の価格によるのではなく、当局がそれとは関係なく事前に決めている点である。例えば、ホンダの乗用車とヴァンであれば1996年モデルだとUS$3,800と定められており、その165%が課税される。実際の購入価格や船賃とは関係ない。これは実勢価格によると故意に低額にして申請する場合があることを考慮した措置のようである)。他方、船員特権として輸入する場合には、2007年モデルUPでないと許可されない。(ちなみに、この場合、例えばホンダ・アコードの2007年モデルだとCIF価格はUS$21,000と規定されているためその165%が課税価格となる)。 

写真は中古車の陸揚げ港であるティラワ国際港の保税倉庫に並んでいた輸入車の数々。

imported used car 2.jpgミャンマーを走行している中古車は、かつては日本の中古車がほとんどで印象としては95%以上が日本車のように思えた。しかし、昨年からこの状況に(少し誇張して言えば)異変が起きつつある。その例のひとつが路線バスで、ティラワ港の保管場所にストックされていた輸入中古バス約30台ほどの全てが韓国製だった。( 左写真参照 )

ヤンゴン地域バス管理委員会の説明では、市内を走行する路線バス総数は約4,800台で、毎日約200万人が利用しているという。ここでも日本の中古車ばかりが目立っていたが、市内では自動車は右側通行であるため韓国車両のように乗降口が右側に設置されていたほうが、乗客の乗り降りは安全であり、かつ自国で豊富に産出する天然ガスを利用したCNG仕様であれば燃料代も安く、当然、運賃も低額に抑制することができる。韓国の路線バスはこの全ての条件をクリアしている。他方、日本の中古路線バスの場合は、既存の乗降口を閉じて、新しく右側にそれをつくり、それに応じて右ハンドルを左に移して、かつ、CNG対応車両に変更しなければならないなどの手間とコストがかかる。このため、今後、この分野では韓国車両の導入が加速してゆく可能性が高い(もちろん中古車市場で・・という前提だが)。

Cherry QQ3.jpgトラックでも大型トラックはインドのタタ・モータースが合弁で生産を開始したほか、中型ないし軽量トラックでは中国企業(福田汽車など)がノックダウン方式で地元企業に協力して生産をスタートさせている。さらに小型軽量車でも同様の生産が行われているほか、モデルになったCherry QQ3が昨年1,000台輸入され、US$12,500程度で国内販売したところ約1週間で完売したという報道もなされていた。※左の写真は昨年12月、ヤンゴン市内で撮影されたMade In ChianのCherry。

3月1日の大統領演説の中で、国民に対して低価格で自動車を提供するようにしたいと明言されていたが最近の動きをみていると日本の中古車の独占状況も次第に減少していくことは確実なように思われる(日本車の独占的状況を支えていた理由のひとつが、故障・破損した場合の部品等の入手が容易でメンテナンスが簡単ということにあったが、最近輸入されている車は電子制御ないし電気系統の部品の割合が増えており、これまでのように手作業で全てを修理するわけにはいかないようになっている。したがって、将来的にはこの理由も失われていく可能性がある)。