日本ミャンマー交流協会 AJMMC:

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天然ゴム、RSS(1)

 Rubber Warehous.JPG天然ゴムを生産しているというのを聞いて、ぜひ一度見学してみたいという関係者がいてミャンマーに同行したことがある。まだ官庁がネイピィドウに移転する数前のことで、ヤンゴン市内にあった農業灌漑省所管のMyanmar Perennial Crops Enterpriseが担当していた。
保管倉庫がある場所に案内されたが、当時、みんな時間をもてあましているような、のんびりとした、長閑な雰囲気が漂っていたが、外国人が来たせいで急にみんなが動きだしたよう
に感じた。天然ゴムのことはWhite Goldの別名で呼ばれているときいていたが、案内された倉庫には人影もなく、シート状に加工され、梱包された天然ゴムが雑然とに積まれているだけだった。案内してくれた公社の職員が、これはラテックスで、こちらがRSS(3)、こっちがRSS(1)で、ミャンマーでは××が主要産地で・・云々と専門用語を多用した説明が続き、同行した関係者と通訳以外の者は、暑さもあり意識が薄れてゆくような気分になった(写真は保管倉庫の様子)。

見学を楽しみにしていた人は終了後、「RSS(Ribbed Smoked Sheet)(1)と言っていたけど、日本では(2)くらいかなあ。ゴミは問題ないけど湿度の管理がまだ上手く行ってないようで、一部だけどカビが出ているものがあった。それはあまりよくない。RSS(1)といっと言っていたモノなら購入してもいいんだけど、やっぱりあれはRSS(2)だと思うんだけどなあ」と誰に話すともなく言われていた。我々には区別がつかない。天然ゴムが実際にどういうものになっているか初めて見たが、当時と違って、今は重要な輸出品となっている。

Rubber Tree.JPGそれからしばらく忘れていたが、数年前に、バゴーからチャイトーを抜けてシッタウン川を超えモン州に入ったとたん道路の両脇にゴムの木のプランテーションが続いているところをみて、以前のことを思い出した。それからまた帰国後にゴムの木を買いたいというところから相談を受けりして、また、天然ゴムのことが気になった(写真は道路沿いのゴムの木プランテーション)。

約100年ほど前に東南アジア地域にもたらされたゴム栽培だが、ミャンマーはもっとも早く栽培が行われた国であり、第二次世界大戦以前のイギリス植民地時代は有数の産地で、外貨獲得にも貢献していた。
しかし、戦後は次第に衰退して行き、2003年までは国内で46万エーカーの栽培面積しかなく、かつ、そのほとんどが家内工業的に行われていた(Business Tank,2004年8月より)。
ゴムの木は栽培後7年を経過したあたりから天然ゴムを採取できるようになり、樹齢30年ころまでは生産でき、その後は伐採され家具などの原料として加工される。かつてはタニンダリーとモン州が主要な産地として知られていたが、現在はカチン州やシャン州といった北部地域でも生産されるなど拡がりをみせている。
ミャンマー産の主な輸出先は、中国・シンガポール・マレーシア・インドなど。北朝鮮が2008年8月に輸出契約を締結したことが報道されたこともある(なお、マレーシア、インドなと゜は有数の産地でもある)。
2009年ころからは、前記公社所管の研修センターで、国内のゴム・ラテックスを活用した製品製造に関する指導なども行われるようになった。ミャンマー政府はゴムの木の栽培面積を150万エーカーまで拡大する長期計画を策定・実施中で、民間投資を奨励するなどしているが、既に2008年現在で100万エーカーを達成し、2010年には110万エーカーまで拡大したことが報じられている。そのうち90%超は民間の土地で行われ、国境地域では以前から中国資本の参入が増えているという。
タニンダリー地域のメェイやダウェイも産地だが、2009年の国営New Light of Myanmarに、生ゴム採取が終わった木を家具用材料などに加工する工場の様子が掲載されていた(6月18日版)。