日本ミャンマー交流協会 AJMMC:

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お茶をのむ人々

 YGN1.JPGお茶はその製造方法によって、緑茶、紅茶、ウーロン茶なと゛に分類される。
ミャンマーの紅茶は専門家によると(グレードはいろいろあるが)赤い色がよく出るのでブレンド用に適していると聞いたことがある。ミャンマー人は紅茶にコンデンスミルクをたっぷり入れてかなり甘くして飲むのが一般で、ラぺイェと呼ばれる。ヤンゴン市内の喫茶店では安い値段で飲むことができ、ミャンマー人の好きな飲み物のひとつでもある。
紅茶以外では緑茶がよく飲まれている。日本人が一見したところウーロン茶と間違うが、ミャンンマーではウーロン茶は作られていない。ウーロン茶は発酵茶の一種であるが、ミャンマーのお茶は緑茶の一種で、釜煎り茶といわれるものに分類される。もとは日本の緑茶と同一の不発酵茶に分類されるもので、成分は日本の緑茶とあまり変らないらしい。蒸しと揉ねんのプロセスが異なっており、これを日本風にやれば日本の緑茶と同じものも製造できるときいた。
 ミャンマー国内でお茶の産地として有名なのはシャン州で、とくに北部の高原地帯であるナムサン地方のものが良質とされている。同地方のルエサイ村には最初のお茶の木とされるものが現在でも存在しており、国内では3月から4月に摘茶されたものが最も美味しいとされる。
 ヤンゴン市内の路上にあちこち設置されている喫茶店では、食事時を過ぎると、紅茶やお茶をのみながら喋り続ける男性たちをよく見かける。2時間前に見かけた顔が、こちらが用事を済ませて戻るころにもまだいるといった光景も珍しくない。地面に近い低い椅子に腰掛けているだけでも疲れそうな気がするが、これが情報交換のスタイルなのかもしれない。

 Tokushima Pagoda.JPG ミャンマーの紅茶や緑茶を輸出しようとする人たちと話す機会があった。その場合、大きく問題となることがある。そのひとつは、日本の緑茶と異なり酵素を十分に失活させていないため、暖かい海上を通過するに場合に、その酵素の働きによって変質してしまう危険が高いことで、他のひとつが価格。ミャンマーの紅茶をアフガニスタンだがアフリカに輸出しようとしていた商社があり、ミャンマー産のものを調査していたが、国内のグレードCで、かつFOBヤンゴンでも、アフリカやバングラデシュのCIF価格より高い提示を受けたと嘆いていた(独特のブローカーシステムの介在のためか、一度で交渉を諦めたせいか、本気で購入する気があれば何とかなるのもミャンマーだということを知らないらしい)。ただ緑茶はベトナム、インドネシア、中国などのものと大差はないそうであるが、大差なければミャンマーのお茶は知られていないので売りにくいとも言われた。ベトナムなどは、同じ種類のお茶を台湾にウーロン茶のブレンド用として輸出している(輸出していた?)ということも聞いているが、ミャンマーも当面はそういう方法によらざるを得ない状況なのかも知れない。ただある種の機械を持ち込めば日本茶と遜色ない品質のものが製造できるそうである。 

ミャンマーのお茶を研究している(ほとんど唯一ともいえる)大学教授は、ミャンマーのお茶の産地などを訪問する場合、日本の緑茶の成分であるカテキンのもつ強い抗菌作用を活用され、日本から持参した緑茶を現地手配した水の中に入れて2時間ほど浸水させた後、これを飲んでいると聞いた。このせいかミネラル・ウォーターなどない地方でも今まで一度も水にあたったことはないという。
また、ミャンマーにはお茶の漬物とでもいうべき食べ物がある。食べるお茶であり、ラペトゥと呼ばれ、ミャンマー人はこれをよく食べている。後発酵茶で嫌気的バクテリア発酵茶に属するもので、乾燥ニンニク、各種豆類などを混ぜて食べるのが普通である。お茶を食べるという習慣は日本にも一部存在しているが、国内で普通に見られるのはミャンマーくらいではないだろうか。
このお茶の漬物といったものを乾燥させたものをラペチンチャウといい、モン州の一部などで作られているそうである。徳島の阿波番茶などもこの系列で、特徴的な有機臭があり、飲むと酸味があるのが特徴。前記の大学教授は、このようなお茶はミャンマーと四国の一部にしか存在しないため、日本の海賊が四国に持ち込んだのではないかという仮説もありますといっておられた。海賊とまではいかなくても日本の四国とミャンマーに何か隠されたかのような共通の歴史があるかも知れないというのは興味をそそられる(写真は、阿波番茶がある徳島市に戦後建立されたミャンマー様式のパゴダ。写真は改修工事前のもの)。