日本ミャンマー交流協会 AJMMC:

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病み付きのカメラワーク

Cameraman 1.JPG眼科医療支援活動で訪緬される藤田先生のチームに同行して記録を担当される久永氏を、協会にいるエンジニア数人が2年ほど前からサポートするようになった。手術室等で日本語の通訳なども担当したほか、エンジニアなので使用される医療機器に関心が高かったようだが、その中ではとりわけ久永氏に指導してもらったカメラワークが気に入っていた。彼らには未経験の世界だったが、日本人スタッフが手術までの準備を丁寧に、かつ細かい部分まで行っていることや、手術自体をほぼ全て記録におさめておくとかのことも彼らを驚かせていた。

彼らは日本語を勉強しているが、ヤンゴンにいる以上は教室だけでは(能力試験等には合格したとしても)実際に使えるレベルにはなかなか到達しない。ビデオや映画、衛星放送などの画像を使ったり、訪緬する多くの日本人関係者に講義をお願いしたり、外出して実践的な指導を行ったりといろいろ工夫をこらしているが、ひとつの目的のために日本人と一緒に作業するという経験は、何よりも貴重な体験のように思われる。医療支援活動に参加することで、ひとつのプロジェクトを日本人とミャンマー人が協力して進めることの難しさや、協力関係の重要性、日本人の行動と考え方などを同時に経験できるほか、何よりも手術後に患者さんたちの感謝や喜びの声に接することは彼にとっても参加の意義を強く印象づけている。みんながほめてくれることもやる気を出させてくれているように思う。

Cameraman 3.JPGエンジニアだからというだけではなく、彼らがカメラ・ワークに特に興味をもったのは実際に自分で使えるということも大きい。2年前には2期生を使ってプロモーション・ビデオを制作した者もいた。ミャンマーで流行っている音楽に合わせて演技指導し、協会ヤンゴン事務所に泊り込んで深夜まで撮影を行い、明け方にかけて編集するという熱の入れ方で、翌朝、完成した作品を見せられたが、その出来ばえに驚いたことがある。もちろん日本語の勉強よりもずっと真剣にやっており、こっちの方面で才能を磨いたほうがいいのではないかとさえ感じた(男女の心理的な三角関係をテーマにした曲の演出で、余談だがこのとき主役を快演していた男子2期生は、その後、家庭の事情で来日を諦め、試験を受けて今は政府職員に採用されている)。

今年の5月の連休中に行われた第20回眼科医療活動に、やはり記録担当補助として参加していた1人は、藤田先生たちが帰国後の5月中旬、日本の会社の依頼で南部のタニンダリー管区で行われた調査に記録担当として3日間同行。ヤンゴンに戻ってから編集され、DVDに移された映像を観たが、少し大袈裟とは思うが、日本のテレビ局によるドキュメンタリー放送をみるような出来だった。少なくとも記録用としては何も文句がない(自身が走行中のバイクの後部座席に座り、後続のバイクタクシーの走行の様子を撮影したり、映像がターンするところ、ズームインその他ととてもよく出来ていた)。

Cameraman 2.JPG絵画や彫刻でもそうだが、自由に創作させたときのミャンマー人男性にはかなり高い能力を発揮する人が少なくないように思う(少なくとも個人的経験ではそう感じる)。楽しいと思うことが集中力と潜在的な能力の高さを引き出すのかも知れない。もっとも、以前、ヤンゴン市内のギャラリーを数箇所見学して歩いた際、ある店舗に飾ってあった絵画のうち全体としてはあまりいいとは思えなかったが、一部分だけ印象的な絵画があり、作者本人に、気に入った部分を指差しながらこの部分はとてもいいと伝えたところ、「それならそこだけ切り取ってあげる」と言われ驚いたことがある。もちろん断ったが、どうしてそういう考えが出て来るのか、外国人に対するサービス精神なのかどうか、不思議な発想をする男性も少なくない。