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ランチと品質管理セミナー

TQM at MMU2.JPG東芝で品質保証部長をされていた岩崎氏が退職後の1999年頃からヤンゴンで品質管理の指導に取り組み、セミナー、特別講義その他と形式を問わずに機会あるごとに熱心に活動されていた。はじめた当時、商工会議所連盟の幹部には「ミャンマーで普及するには2世代くらいはかかるのではないか」と言われたりしたが、最近の普及と関心の高さには驚かされる(以前、このコラムで紹介した)。

ミャンマー海事大学の敷地内に造られた工場で、同大学と協力しながらFRPボートを製造していたが、2004年1月に当時の学長から学生及び講師に対して品質管理の指導をお願いできないかという依頼が岩崎氏にあった。それを受けて同年2月に入門的な特別授業を実施されたが、場所が教室ではなく工場。これまでの体験からして具体的な製品を前にしながらの解説でないと理解され難いと判断してのことだった。工場には100人を超える関係者が集まり、熱心にメモをとったり、質問したりと活気が溢れていたので、この判断は正しかったと思う。ちなみにテーマにされたのは「工場経営--品質管理・納期管理・原価管理・安全設計の必要性」。工場の中に椅子やホワイトボードを持ち込み、数時間にわたって半分近くの場所を占拠して行われたが、集まりすぎて後部席まで声が届かない。このときはミャンマー語の通訳を入れていたため、彼は終わる頃にはすっかり声が枯れ、顔も真っ赤になっていた。

一般にミャンマーでは大声を出す習慣はなく、マナーとしてもよくない。レストランなどでウェイター等を呼ぶときも日本人のように「すみませ--ん」とか「Excuse me 」といった声を出さない。表現は難しいが、口先でプスッ、プスッと言ったような小さな音を出して呼ぶ。理由はよく判らないが、そういう習慣があるところで大声で通訳するからたちまち声帯と血圧に影響するのかも知れない。

TQM at MMU.JPG授業終了後、ランチが始まった。学生と講師はほとんどがお弁当持参なので教室や教員室に戻って行く。工場にいる工員たちは委託されている近くの民家から運ばれるご飯と料理を銀色をしたプレートに盛り付けてもらって工場の外に作られた休憩場所で食べる。全員分のプレートはないし、座る場所もない。先に食べた人のプレートをもらい、工場の横に置かれている水を入れたドラム缶の中にそれを入れて水洗いし、取り出したプレートを大きく素早く上下に振って水を切る。それに次の人の分を盛り付けている。のぞくと水は既に濁っている。いつの水かもわからない。お腹を壊す可能性があると思って注意しようと振り向くと、岩崎さんは既に半分以上を食べていた。心配したがその後も別に体調に異常はない。食後は、その休憩場所にエンジニア7人を集めて、より実践的な品質管理のセミナーを2時間ほど行って大学を後にした。

TQM (Total Quality Management )の考えが普及するにはずいぶんと時間かかると思われていたが、以前紹介したように、ここ数年で、ISOその他の認証を受ける民間企業が増えてきた。2010年も数回関連セミナーがヤンゴンで開催され、毎回多くの人が集まっている。ISO認定を行うSGS(Sociate Generate de Surveillance )社がヤンゴンに事務所を設置して、2001年から認定事務をスタートさせたことが大きいと思われる。同社は、今年9月10日にもヤンゴンのParkroyal HotelでISOセミナーを開催している。内容は、ISO22000:2005 (Food Safety Management System ) と、ISO9001: 2008 (Quality Management System ) のふたつ。もっとも増えたといっても数百社も存在しているといった状況ではなく、輸出その他と外国との取引関係が強い大手企業に限られている。