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ミャンマーは女性でもつ?

UMGCCI Traing.JPGミャンマーを訪問したことがある人は誰しも経験することだが、女性がよく働いているし、かつ、勉強もするという印象を受ける。露店はもちろんデパートその他の店舗、道路工事や建設現場にも多数いるし、工場などで働いているのは大半は女性。そればかりではなく、ホテルとかオフィスの管理職にも女性が進出しているし、教職員を含む公務員にもとても多い。女性に次いで目につくのは10代から20代の若い男性。

この印象は今に始まったことではなく、会田雄次氏のアーロン収容所(中公新書)のなかにも(子供についてのものだが)「どうもビルマ人は大人になるとぼけてしまって計算できないらしい。それでも女はまだましで、男の老人ときたらどうにもならない。七つ八つ菓子など買うとこちらが計算してやらねばならない。駅の物売りなど、かなりの迅速さを要求される取引きは子供でないと無理なのだ。せいぜい結婚するまで、十八、九歳までの青年の仕事である。子供たちは商売だけでなく農業も手伝う。しかしどうも子供を働かせて親が遊んでいるというのではないらしい。子供を働かさないと食ってゆけないということでもない。もっと肉体的知能的構造的な条件が、ビルマの子供たちの活躍を必要とさせていると考えないわけにはゆかない」(186頁)という記述がある。 写真は今年ミャンマー商工会議所連盟本部で行われた人材育成研修コースに出席したメンバーで、参加した男性は数人しかいない。

会田先生の記述の真偽は判らないが、少なくとも受ける印象は今も変わらない。今まで知っているミャンー人の家庭は例外なく奥さん、または母親が実権を持っていて男性はその意向を無視できないように見える。偉い人の家庭でも変わらない。ミャンマー人女性と結婚した日本人男性はほぼ恐妻家であり、日本人女性と結婚したミャンマー人男性もまた恐妻家になっている。もっとも個人的体験を安易に一般化するつもりはない。

Cataract Monitor.JPG協会で若手エンジニアを募集するため試験を実施すると上位を占めるのはやはり女性。来訪したミャンマーの某官庁の幹部に意見を求めたところ「心配要らない。今年、私の省でも新卒者を25人採用したけど、22人が女性だった。ミャンマーではそれが普通だ」と言われた。女性が進出しているのは工場労働とかその他の単純作業だけではない。官庁にも教育現場にも多数が進出し、しかも管理職になっているひとも少なくない。2005年の統計だが、教育省の職員の51.93%, 基礎教育分野の教師の79.02%(高校教師に限ると81.03%)、大学の教員は82.55%が女性となっている。医療現場にも多数の女性が進出している。写真は藤田先生の白内障手術をモニター室で熱心に見入る女性眼科医。

今年は世界でも16ヶ国しかいないと言われる3人の女性民間パイロットも誕生しているし、ボクシング、空手、テコンドーなどの格闘技やサッカーほかのスポーツにも多数の女性が進出し、過言ではなく女性がいない分野はあまりない。知る限りでは船員とか絵画、彫刻といった分野には女性はほとんどいないように思われるが、小説・ジャーナリズム・映画監督・ミュージシャンなどの分野には存在する(女性だけのロックバンドまでいて人気がある)。もちろん国軍にも警察にもいる(まだヤンゴンにあった当時の警察本部に出かけたことがあるが、100人近くはいると思われた1Fの執務室の大半は女性警察官だった)。

このように社会進出が著しいように見える女性だが、他方ではほとんど全ての家事も自ら行う。料理はもちろん掃除・洗濯といったことも女性がやる。家事を手伝う男性はめったにいない(ただし協会ヤンゴン事務所で勉強しているエンジニアに限ると、料理ができない若い女性も出てきた)。来日中のエンジニアのうち男性2人が勤務時間が終わってから協会事務所に来たことがある。そこに女性のエンジニアが自分で購入した4人分の弁当を持参。そのフタを開け、各人の前に並べ、箸をおき、お茶を用意し、食べ終わるとみんなの分を片付け、またお茶を出した。そのかん男性2人は座りぱなしで、何か手伝うわけでもなく、女性も格別それに不満を言うわけでもない。ミャンマーの文化なのである(男性2人には、そんな態度だと日本の女性に嫌われるから少し手伝ったらどうだとつい文句を言ってしまったが )。仏教上も女性は男性より下におかれる。女性だけ入れない場所もあるし、正式僧侶にもなれない。しかし仏教施設やお寺で熱心にボランティア活動を行ったり、僧侶のところに出かけるのは圧倒的に女性が多い。

ミャンマーは女性で支えられてるのかも知れない。他面、女性の意向に逆らえない傾向をもつ男性は女性次第でその社会的行動も影響されやすくなる。ちなみに日本企業に社員採用されて来日した協会の若手エンジニアの75%も女性で、ヤンゴン事務所の代表も女性である。