日本ミャンマー交流協会 AJMMC:

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おんながいっぱい

Bamboo Truck.JPG 中国の上海近郊の工場に委託して竹を原料にしたボード製造等を行っていた企業が、ミャンマーにシフトまたは一部委託の可能性を調査するため10数回訪緬したことがある。ミャンマーは有数の竹の産地であり、数10種とも、または多く見積もるところでは200種とも言われるほど多様な種類の竹に恵まれている。国内では竹を原料にしたパルプ工場も複数ヶ所存在し、筍の漬物や建築材などにも使われる。以前は竹を原料にしたフローリングの製造なども行われていた。人件費も安い。これらの条件が実現可能性調査の契機となったもので、シッタン川を遡ってバゴー山脈の中に入ったり、搬送コストや工場建設またはレンタル、機械設備の現地手配の可能性等々必要な項目を調査した。木材製品等の業界団体の下部組織に竹製品の団体があり、その会長(当時)がカウンターパートとして協力してくれた。奥さんの実家の家具製造事業を引き継いだらしいが、本人はもともとは歯科医。必ずしも経験豊富な専門家ではなく、竹にも詳しくない。それにもかかわらず、よく動いて日本の会社に協力してくれ、関係者と親しくなっていった。 写真は原料となる竹を積載して工場に到着したトラック。

Bamboo Boad.JPG一度、中国の工場を見せて、それから販売されている製品を日本でみせたほうが具体的なイメージを掴みやすいというので、日本の会社が彼を中国と日本に招待することになった。中国では工場見学はできたが、肝心の原料となる竹が見あたらない。というか、見せてくれないのである。ミャンマーにシフトされるかも知れない懸念がある以上、仕方ないが、本人はそれを別に気にしている風でもなく工場の見学に急がしい。ただ、それらしき竹をサンプルでもらっていた。

来日後は、鎌倉その他の観光も予定に入り、ビジネス協議も何度か行われた。食べることが大好きらしく、食べ過ぎて一度吐いて、それからまた食べるといったようなタフな食通でもある。日本の食べモノは何でも興味があって美味しいらしい。ミャンマー人があまり口にしない牛肉でも何でも口にする。その彼が満腹になったときの口癖が「おんながいっぱい」。習いたての日本語を時々口にしていたが、意味不明な言葉があり、これもそのひとつ。解説してもらったら「おなかがいっぱい」と言いたいらしいことが判った。実際に女性が近くにいるような場所で大声て言われると、視線が集まるのでかなり恥ずかしい。本人は日本語を使ってサービスしているつもりだから喜色満面の笑みで堂々としている。「Kさん、Mさん。私は日本に来られて本当にうれしい。美味しいものを食べられて、おんながいっぱいだし・・・」。

写真は彼がヤンゴンで作り上げた竹のボード。絶対に出来ないと思われていたものを期限内に間に合わせるし、仕事より遊んだり食べたりが好きなのかと思えば、木材公社で特別講義をやったりと、珍しいタイプのミャンマー人であることは間違いない。