日本ミャンマー交流協会 AJMMC:

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気になる招待状

VSV Presen 1.JPGミャンマーの若手エンジニアを(研修生ではなく)社員として日本企業に雇用してもらうためのプレゼンテーションを3年前に行った。日本から専門家に来てもらったほか、ミャンマーの関係者にも相談して準備を進めたが、これが予想外の展開を辿り、かなり気を揉んだイベントになってしまったことがある。開催場所はヤンゴン市内の有名ホテルで、エンジニアが対象なので工科系大学の関係者や関連団体にも根回しを行い、招待状を100枚作成して関係者に配布したほか、当日はランチまで用意して万全を期したつもりでいた。

ここに至るまでは、技能研修制度での来日支援も検討したが、問題点を多く指摘されたため、あくまでも社員としての雇用機会の提供を支援しようということになり、日本で受け入れ可能先などを打診したうえでのスタートだった。写真はプレゼンテーション当日の受付の様子。TV局なども取材のため訪れていた。

VSN Presen 2.JPG準備万端整えて、開催日当日まで残り数日となり、後は日本から専門家の到着を待つばかりだった。リラックスしていた夜中の8時頃、協会のヤンゴン連絡事務所に関係者から1本の電話が入った。内容は「当日のプレゼンテーションへの招待状がカラーコピーされて大量に出回っている。10ドルで売られているとも聞いたが、プレゼンを混乱させる意図があるかも知れない」というもので、「相手は、大学生の中でもまじめな工科系大学のエンジニアやその関係者だから、万一、席がなかったり、会場に入れないとかランチを食べられないという事態になると問題になる」と言うもの。招待状に通し番号とか、氏名を記載していなかったことを直ぐに思い出した。そのような事態が発生するとは思ってもいなかったが、電話の通りの状況が発生したら間違いなく問題になるだろうことは容易に想像できた。かつての民主化デモも発端はヤンゴン工科大学正門前のレストランで学生を巻き込んだケンカだったことを読んだ記憶がよみがえる。

まさかそんなことにはならないとは思ったが、何とかしないとまずいので、経験豊富と思われる関係者に、電話があった当日の深夜になって相談。その判断が実に適確だった。相談した相手は、「( コピーであろうと本物であろうと )招待状があるのに入れないとか、ランチが出ないというよう状態を最初に回避しないといけない」とアドバイス。翌日ホテルに同行して、まず会場を100人程度の定員しかない屋上の部屋から、楽に200人、300人は入れる2階の通路のスペースに移すよう指示( 大きな部屋を探したが既に予約でいっぱいとなっており、どうしょうかと思ったが、即座に通路でいいと判断 )。ここにあるだけの椅子を並べ、最悪、立ち見であっても会場に入れないという事態を避ける。それから屋上の借り入れた部屋に食事をパイキング方式で手配して、立食にした。その後、各方面に当日開催の趣旨を事前説明に出向く。最後に、何か起きそうな場合に対応できると思われる関係者を1階と2階に手配してもらって準備は終わった(もちろん腕っ節が強いという意味ではない)。開催日の2日前だった。日本の専門家たちは前日にヤンゴン国際空港に到着。当日までドキドキする状況だったが、何事もなかったようにスケジュールなどを説明した。

こちらの心配をよそにプレゼンテーションは盛況のうちに終わった。予想していたより幾らか参加者が多い気がしたが、特別な混乱もなく、活発な質疑応答も繰り返され、関心の高さを示して来緬した関係者を喜ばせた。上写真は当日の会場の様子。2階通路に急きょ設置されたようには見えない。ランチは最上階で、会場と離れているためあまり行かないだろうと思っていたが、ほぼ全員がランチにも出ていた。こちらの思い込みは通用しないことをあらためて思い知らされた。