日本ミャンマー交流協会 AJMMC:

ホーム コラム タバアンのパルプ工場

タバアンのパルプ工場

パルプと製紙3.JPG2009年は中国の紙・板紙の年間生産量が8,640万トンに達し、日本の2,617万トンの3倍を超え、アメリカの7,123万トンも抜いて世界一になった(Future 6月21日号)。その中国にパルプを供給している工場のひとつがエヤワディ管区のタバアン(Thabaung)にある。ミャンマーの第一工業省下の製紙化学公社が中国冶金建設集団有限公司(China Metallurgical Construction Group Corporation)の資金と技術支援で建設したもので、2001年11月に着工し、2005年5月から操業している。 設置機械等のコストはドルベースの資金だけで約9,000万ドル。別途、約280億チャットの工費がかかっている。敷地面積1,100エーカー。約1600トンの竹を原料に、1日200トンのパルプを製造し、その75%は中国にバーターで輸出され、残りはグレードに応じて価格を決め、国内外に販売されている。 写真は工場外観。

パルプと製紙.JPG 完成前の2003年から70人以上の技術者が、研修指導を受けるため中国に派遣された言われる。

2005年当時で年間約16万トンの紙の国内需要があったが、国内ではその約33%しか生産されていないといわれ不足分は主にタイやインドネシアから輸入されていた。この工場は輸入代替産業を育成するという政策にもかなっていた。余談だが、ミャンマー国内の紙の年間消費量は1人あたり約2.7kgとかなり低い( 但し、ヤンゴンやマンダレーなどの主要都市でみればもっと多い )。パルプ生産に関しては国営企業がSittoung, Yeni, Kanbe, Paaleikなどにある工場でも生産しているほか、民間工場もある。 タバアンの工場はそれらの中で最も能力が優れている。 ヤンゴンからは、乾期であれば、車パルプと製紙2.JPGで片道6時間ほどで行ける。

ここも日本企業が以前にFS(実現可能性調査)を行った場所だったが、結局は中国企業に持っていかれた。1998年 か1999年頃、製紙化学公社を所管する第一工業省やMEC(Myanmar Economic Corporation)と日本企業が、新聞紙と一般紙を各50トンずつの合計100トン程度の製紙工場建設の件で協議を重ねたことがある( このレベルは日本ではかなり小さい規模)。当時、初期投資には生産量1トン当たりにつき約1億かかるといわれ、日本側は約100億円を提示したが、全く同規模の工場について中国側は約25億円でプロポーズしてきたため日本は敗れた。ミャンマー側エンジニアは例外なく日本側を支持したが、これだけの金額の差があればやはり勝てない。それから中国が、国内の製紙・パルプ産業に進出するようになって行ったように思われる。写真上はタバアンの工場内を見学する日本の専門家と下の写真は川上から送られてくる原料の竹の集積所。