日本ミャンマー交流協会 AJMMC:

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品質管理と標準化(2)

最初の品質管理セミナー.JPG製紙・パルプのエンジニアとして日本企業で長年勤務し、その間、10数ヶ国に赴任した経験をもつ藤田登氏(協会技術顧問)が、20数年ぶりにミャンマーに戻ることになった。当時、シッタン(Sittoung)工場(現在は第一工業省所管)で作業したことがあり、その当時の仲間や教え子たちが品質管理(標準化)セミナーを要請したのが再訪の理由で、2004年8月29日に製紙・パルプの技術者約50名を集め、最初のセミナーを行った。持参した資料も好評で、入手できなかった関係者は協会事務所にコピーを取りに来ていた。また、藤田氏独特の話し方と人柄もあって、翌年9月と11月には要請を受けて、ミャンマージュート公社及びミャンマーエンジニアリング協会でも同様のセミナーを行うことになった。写真は講演中の藤田登氏。

ジュート公社.JPG農林灌漑省所管のミャンマージュート公社は、ケナフやジュートといった非木材パルプを主要原料にパルプを製造している。このためU Tin Htut Oo農業企画局長(当時)等の依頼を受け、Non-Wood Pulp & Paperのテーマに、品質管理についてもセミナーを行った。このとき100頁を超える英文資料を自ら作成して持参。会場で希望者に配布したが、今回も足りなくなった。この年の5月、強力な繊維をもつアバカの苗を藤田氏の関係者の協力を得てインドネシアからミャンマーに輸入したこともあり、アバカの説明なども行った(今はバゴーの農業灌漑省の試験場で栽培中と聞いた)。写真はセミナー終了後の記念撮影。

この年の11月には再び訪緬し、今度はエンジニアリング協会で“Quality Comtrol and Standardization”のタイトルでパワーポイントを使いながら製紙・パルプ技術についてのセミナーを行った。その都度、たくさんの配布資料を持参するが、それ以外にもこれまでに玉ねぎ・牛乳パック・ティッシュの袋・トイレットペーパーといったものまで抱えて出かけ、講演を工夫し、いつも熱心にエンジニアを激励するスタイルは変わらない。

この年、日本企業の要請を受け、中国とフィリピンの工場にも指導に出かけ、合計5回の海外出張が続いた。そのせいかミャンマーから帰国した後、入院して手術することに。当時79歳。関係者は心配したが、84歳になる今、ミャンマーの製紙関係のエンジニアのために、各分野の専門家の協力を得ながら300頁を超えると思われる実践的な紙・パルプ概論を英語で執筆中で、間もなく完成の予定(本人はミャンマーの製紙産業に中国の影響が拡大しているなかで、何とか一矢報いたいという望みもまだある)。