日本ミャンマー交流協会 AJMMC:

ホーム コラム タナッカー

タナッカー

タナッカー.JPGミャンマーに行くと女性と子どもが顔に白い粉を塗っているところに出会うことが多い。昔から使われているもので成人した男性はあまり使用しない。2002年11月頃に興味を持って調べたことがある。どうして使うのかと質問したら、香りがよくて気分がいい・落ち着く・肌を冷やしてくれてすべすべになる、といった答が返ってきた。タナッカー(Thanakha)は植物学上の固有の名称ではなく、顔に塗ることができる樹木の総称とも言われ、実際にも数種類のものがこの名前で呼ばれている。カットした木の皮の部分を水をかけながら丸い砥石の上ですりおろし、ペースト状にしたものを顔などに塗る。( 写真はMyeikで出会ったタナッカーを塗った親子)

  植物学上の分類等や成分についてヤンゴンで誰に聞いてもわからない。逆に「これまで何百年も使ってきたものだからいいことはわかっている。そんなことは必要ないことだ」と言われたりした。それもそうだと納得したが、帰国してから関係者で調べたところ以下のような説明を見つけた。

 ミカン科の小高木で、インドから東南アジアに本種一種が分布。果実は球形で3から7mmになる。果皮は木質で硬くて粗い。果肉は甘くて芳香がある。原産地のインドや熱帯地域で栽培されており、乾燥に強い。英語名 Elephant Apple,または Indian Wood Apple。属種は、Feronia Lemonia ( 世界有用植物事典・堀田満編・平凡社1988年)。

 さらに効能などを掲載した「Medical Plants of East and Southeast Asia 」(Liry M Perry, The MIT Press, London,1980)には、Feronia Lemoniaの項目のところに「果実は胃によく、葉はてんかんの薬として根は胆汁症や下剤の薬として効果があるといわれる」。「Indian Medical Plants」(K.R.Kirtikar & B.D.Buss, Periodical Expert,1935 )にも似たような記載があってきりがない。

 インド原産で、ミャンマーだけではなくマレーシア、タイなどにも存在するらしいが、ミャンマーでは乾燥地帯のシンマタウンとタウンニィタウンのものが最高級品として知られる。高さは4mから9mになるが栽培後8年目くらいから商品になり、栽培地と木の直径で品質は判断されると聞いた。栽培等には当局の許可が必要で、年間の生産量は当時800トン前後とのことだった。

 最近は砥石でこする手間がない石鹸のような形のものや、ローションやチューブ入りなどの商品も売られており、輸出もされているらしい。もっともこういうものをつけて寝ると毛穴が詰まって肌が荒れるという日本の化粧品関係者がいたが、実際にはそうでもないように思う。