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得度式

得度式.JPG  熱心な仏教徒が多いミャンマーでは男性は、子どものころと20歳過ぎたころに得度式を行って僧侶になる者が多い。もっとも本格的に僧侶になるのではなく一週間とか2週間で還俗するのが普通。協会ヤンゴン事務所には日本語を研修中のエンジニアたちがいるが、一昨年、その中の女性3人が正社員として採用され、来日が決まった。このとき珍しい体験をした。 ひとつは、関係者を呼んで壮行会というか送別会を行うことになったときで、その経費全額を3人が出したことである。誕生日も本人がごちそうしたり、ケーキを買ってきたりしており、出席者はプレゼントくらいは渡すけど、こういうものは本人がお金を出す習慣があるのかと思う。

得度式2.JPG もっとも驚いたのが、同期の男性エンジニア3人を説得して僧侶にしてしまったことである。3人の女性が彼等を取り囲んで何かミャンマー語で真剣に話し込んでいる場面を見たが、そのときは何かお願いしているような様子には見えなかった。

 聞かされたのは、男性3人が来日する女性3人のために得度式を行うことなったという結論だけで、経緯の説明はない。女性は僧侶にはなれないが、僧侶になるための一切を負担することで大きな功徳を積むことになるらしく、ミャンマーを離れるに際してどうしてもこれをやりたかったらしい。決めた後は、お寺選びから、日用品を含めて僧侶に必要な一切のもの、出家当日に参加者全員に出す食事の手配など全て彼女たちとススさんがやった。

サンチャと呼ばれる剃髪の儀式から始まり、坊主頭のまま地位が高いと見られる僧侶の説教を受け、先輩僧に法衣を着せてもらい、着替えた後は何人かの正式僧に囲まれるようにしてひそひそ話をしているように見えたが、僧侶になる資格の確認を受けていた。それが済んだら上位の僧から戒律を受けていたが、この時は少し離れた場所で、合掌しつつも立ったまま。それが終わるとその僧侶の横に用意されていた椅子に腰掛けるよう促され、男性3人は無言のまま座る。ここからおそらく正式な僧になったのかと思われ、女性3人は同期の僧侶に本気で手を合わせる。笑顔など全くないが、僧侶と化した3人は絶対に目を合わせようとしなかった。

 この後、儀式が行われていた建物からいったん外へ出るが、外で女性等は待ち構えて、パックした日用品とかいろいろなものを、僧侶が所持する袋のなかにどんどん入れて行く。この後、食事の世話に移ったが、無理だろうと思われるくらいのものが並ぶ。最初に僧侶やコーエンと呼ばれる子どもの僧侶数10人が食べ、それから参加者その他が食べる。これで得度式は終わりと思ったが、アミャ・ウェイと呼ばれる儀式が残っていた。お経を聞きながら銀製容器に水をゆっくり注ぐ。これで終わったがここまでの所要時間は、約3時間30分かかった。

 自分たちで創った同期のにわか僧侶を、ひれ伏すように拝む女性3人と、絶対に目を合わそうとしない男3人、こういうことは合理的に考えて理解してはいけないのだろうが、何か変。ちなみに3人の僧侶のうち1人は先約があったため3日で還俗した。それは当然そうだろうと思ったが、剃髪のときに彼だけ出血していたから不思議な力で短いと怒られたかもしれない。